安定した動作には安定した片脚立ちが必要
サッカーに限らずですが、スポーツは片脚で行うものが多いですよね。
野球の投球動作も片脚立ちになります。
バスケットのドリブルシュート(庶民シュートby桜木花道)もシュートを打つ際は片脚でジャンプします。
そもそも走る動作は片脚着地→片脚立ち→片脚ジャンプの連続です
この片脚立ちを安定させることがスポーツ全般に大事なポイントになります。
そもそも重力に負けないようにまっすぐ立つために必要な筋肉というものがあります。
その名も抗重力筋といいます。
重力に抗う筋肉のことですね。
大まかに言うと、背中には脊柱起立筋、広背筋、腹部は腹直筋、腸腰筋、殿部は大殿筋、太ももは大腿四頭筋、膝から下は下腿三頭筋になります。
このうち、特にスポーツ選手に大事な大殿筋に焦点を当てます。
基本は片脚での動作
特にサッカーで言えば、キック動作は片脚の軸足が安定することで、正確で強いキックが可能になります。
軸足が不安定で重心がいつも定まっていないと、毎回キックがどこに飛んでいくかわかりません(^-^;
ボールを足でトラップする際にも片脚で安定して立てないと、ボールの中心に足を当ててトラップすることができません。
ボールが来るたびにその時の重心の位置によって、体の安定性も変わるので動いているボールの中心を捉えるのは難しいということは明らかですよね。
止めて蹴るという基本動作が安定していない人は軸足の安定性に問題があるかもしれません。
重心を安定させるという土台があって初めて、技術の上達につながるのです。
サッカーは特にターンが多い
さらにサッカーで言うと、方向転換であるターンが多い競技です。
相手がドリブル突破を図ろうとすると、後ろ斜め方向にターンしてダッシュしないといけません。
相手が常にまっすぐ向かってくるわけではないので、常にディフェンダーの裏をつこうと背後を狙ってくるのが普通です。
しかし、ディフェンスとしては背後は行かれたくないので、すぐにターンして相手とボールを視野に入れながら、ボールを奪う隙を狙わなければなりません。
このような駆け引きが多いため、体は捻る動作が強いられます。
このターン動作ですが、股関節の回旋が重要なポイントになります。
身体の中で一番回旋に適している関節はどこかというと、股関節です!
片脚立ちと回旋動作に重要なものはケツ(股関節)!
これまでに述べたように、安定した動作やキック(トラップ)には、片脚立ちが安定してできることと回旋動作がスムーズに素早くできることの2つが非常に大事になります。
片脚立ちが安定ししてできるには、ケツ(股関節)の筋肉をしっかり使えることが重要です。
ケツケツ言ってますが、殿部の筋肉で大きなものから大殿筋、中殿筋、小殿筋とあります。
膝を伸ばして立つときはもちろんケツ(殿筋)で支えますが、構えの姿勢のように膝を少し曲げて立つときにもケツで支えられることが大事です。
膝を曲げて立つときに、膝だけ前に出て、ケツ(殿筋)を使えない姿勢にならないように注意が必要です。
股関節から曲げて、骨盤を少し前傾させてケツ(殿筋)の筋肉を程よく伸ばした状態にして、常に力が発揮できる状態にしておく必要があります。
膝だけ前に出ているような姿勢では太ももの前の筋肉である大腿四頭筋ばかり、使うことになり、オスグッド病など膝の傷害につながりやすくなります。
さらに股関節が中途半端な角度では、ケツ(殿筋)の筋肉に力が入りにくく、たるんでしまうので、筋力も発揮しにくく、もし筋力が発揮できたとしても時間がかかります。
また、ターンの際に体を捻る動作が必要です。
この捻るという動作ですが、主に行うのは股関節です。
ケツ(殿筋)の筋肉が主に作用する股関節です。
股関節は球関節と言って、可動域が非常に大きく、安定した関節です。
下の図を見てもらうと分かる通り、大腿骨の骨頭(上の先端)が骨盤の骨にすっぽり包まれていますね。
安定していることは見ると分かります。
また、骨頭が丸くなっているため、いろいろな方向に大きな範囲で動きます。
この関節の回旋動作(捻り)が素早く安定してできることで、スムーズなターンが可能になります。
ケツ(股関節周囲筋)が硬くて柔軟性がないと、回旋の可動域も減少し、股関節意外の関節でカバーする必要が出てくるため、腰椎分離症や膝の靭帯損傷など、回旋に特有の傷害が起こりやすくなってしまいます。
さらに言うと回旋スピードをスムーズに上げるためにはケツ(股関節周囲)にある大小いくつかの筋肉に十分な筋力がないといけません。
先ほどの殿部の図で言うと、右側に書いてある深層外旋6筋(梨状筋、上双子筋、下双子筋、外閉鎖筋、内閉鎖筋、大腿方形筋)が捻り動作に影響すると同時に、関節に近い筋肉なので関節の安定性にもかかわります。
殿筋群(大殿筋、中殿筋、小殿筋)と深層外旋6筋を合わせたケツの筋肉(股関節周囲筋)に十分な柔軟性があることとその可動域全体を通して支えるだけの筋力があることがとても重要なポイントになります。
今回のテーマとはちょっとずれますが、片脚立ちに大事な要素として、足の裏の感覚や筋肉の長さを感知する感覚、頭の位置を感知する前庭感覚、回りの状況を正確に認知するための視覚など、感覚の要素も非常に重要になります。
そして、相手の動きに合わせて素早くターンするには、相手の動きを認知して、それに対応した最短の動作を瞬時に判断して、実行に移すという神経系の反応時間や判断能力も必要です。
これらも非常に重要な要素になるので、またの機会にまとめようと思います。
ケツ(股関節周囲筋)の柔軟性と筋力をつけよう
安定した片脚立ちには片方のケツ(殿筋)で体重をしっかり支えるだけの筋力が必要です。
さらに言うと、ダッシュしたりジャンプしたりターンしたりと加速・減速など、体重の何倍もの力が加わるので、それに対応できる筋力がケツ(股関節周囲筋)には必要です。
そして、その筋力を発揮できる可動域も忘れてはいけません。
ケツ(股関節周囲筋)が硬く柔軟性が低いと、ターン可能な範囲が狭くなり、遠回りしなくてはいけなくなるかもしれません。
そうなると一歩、相手に先を行かれるということになってしまいます。
股関節の可動域があれば、足を伸ばせば届くのに、硬くて可動域が足りず、届かなかったというちょっとの差がパフォーマンスの差につながってきます。
筋力と可動域(柔軟性)の両方がやはり欠かせません。
柔軟性だけあっても、可動域の最後のところで筋力が足りなければ支えきれず、怪我してしまいます。
意外に思われるかもしれませんが、体が硬くても自分が使える可動域の範囲の中でその可動域全体を支えられる筋力があればそこまで怪我はしにくいのです。
しかし、硬い分パフォーマンスは損していると思います。
逆にストレッチばかりやって柔軟性がとても優れている選手でも怪我が多い場合があります。
それは可動域が広い分、可動域の最後のところでの支える力が不足していることが多いからです。
柔軟性があって、可動域が広くてもその可動域全体を通して支える筋力がないと片手落ちになってしまいます。
したがって、筋力があっても柔軟性がないとパフォーマンスが十分に発揮できないし、柔軟性があって筋力がないと怪我につながりやすいということです。
どっちも嫌ですね。
両方を向上させるようなアプローチが必要になります。
ケツ(股関節周囲筋)のストレッチ
ということで、今回はケツ(股関節周囲筋)のストレッチをいくつかご紹介したいと思います。
殿筋のストレッチ
股関節回旋筋のストレッチ
まとめ
いかがでしたか。
今回は安定した動作やキックに必要なもの、ということで、スポーツにおける動作は片脚で行うものが多いということ、そして特にサッカーの場合はターンが多いため、股関節の回旋動作が重要になるというお話でした。
これらをもう少しかみ砕いて具体的に言うと、股関節周囲筋の柔軟性と筋力両方が大事だよ、となります。
そのうち今回は股関節周囲筋の代表的なストレッチ系の運動をご紹介しました。
自分でストレッチすることが基本ですが、もしやり方がわからない、ちゃんとしたトレーナーに教えてほしいという方は、近くのトレーナーを探してみるのもいいかもしれません。
Zehitomo<ゼヒトモ>いろいろな専門家がいますが、パーソナルトレーニング・トレーナーの専門家を家の近くで探すことができます。
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