はじめに
アスリートでふくらはぎの肉離れに苦しんでいる選手が少なからずいます。
そういう選手のリハビリの手助けに少しでもなれたら嬉しいです。
ふくらはぎの筋
ふくらはぎは、筋肉で言うと下腿三頭筋という筋肉になります。
三頭筋というくらいなので、頭が3つに分かれています。
3つのうち2つは腓腹筋の内側頭と外側頭で、もう一つはヒラメ筋です。
左:下腿三頭筋 中:腓腹筋 右:ヒラメ筋
腓腹筋は上の図を見てわかる通り、膝の上の大腿骨から、踵に付いています。
いわゆる二関節筋です。
歩行中も地面を蹴る直前に膝を伸ばして、足首が上側に曲がる(背屈)することで、腓腹筋が伸ばされ、その反動(反射)で地面を自然に蹴ることができます。
いわゆる伸張反射です。
このために意識しないでも、地面を効率よく蹴ることができます。
一方、ヒラメ筋は膝の下の腓骨の上の方から踵に付いています。
単関節筋と呼ばれ、足首を返す運動(底屈)を主に行います。
これは、抗重力筋と言って、立っているときに重心が前に行ったときに自然と重心を戻す働きがあります。
厳密に働きが分けられるわけではありませんが、このように覚えておけば間違いはないです。
また、実際は腓骨と脛骨、距骨などが間にあるため、単関節筋ではないとも言えます(^-^;
しかし、働き的には腓腹筋が二関節筋、ヒラメ筋が単関節筋のくくりでよいと思います。
下腿三頭筋のトレーニング
腓腹筋
チューブ底屈
まず、非荷重でチューブで抵抗を加えて腓腹筋を使う感覚をつかみましょう。
両脚カーフレイズ
立った状態で両脚で踵の上げ下ろしです。
前後開脚でのカーフレイズ
足を前後に開いて、後足の踵を上げます。
真上よりは少し前方に上げるので、背屈の角度が少し大きくなります。
段差を利用して(逆脚アシスト)
ステップ台や階段を使って踵の上げ下げを行います。
体重のかけ方次第ですが、両脚よりは負荷を高くでき、片脚よりは負荷を低くできます。
片脚カーフレイズ
片脚立ちでの踵上げです。はじめは壁などでバランスを取りながら、慣れてきたら手での支えを減らしていきましょう。
ヒラメ筋
ヒラメ筋は単関節筋なので、膝を曲げた状態で行うトレーニングになります。
チューブ
まずは非荷重でチューブで抵抗を加えます。
長座の姿勢から膝を少し曲げて、可動域いっぱい使って足首を底屈(つま先を下)方向へ動かしましょう。
座位カーフレイズ
両脚で行い、問題なければ片脚でも行いましょう。
バックブリッジカーフレイズ
膝を立てた仰向けの姿勢で、お尻を上げたまま、踵の上げ下ろしを行います。
やるとわかりますが、結構きついです(^-^;
あんまり踵が上がってません(>_<)
前後開脚でのカーフレイズ
腓腹筋でもありましたが、ヒラメ筋をターゲットにする場合は前脚の踵の上げ下ろしを行います。
立位膝曲げてのカーフレイズ
立位で膝を曲げた状態で踵上げを行います。
両脚で行い、楽にできるようになったら、片脚でも行いましょう。
両脚と片脚の間に、腓腹筋と同じように段差を利用しての膝曲げてのカーフレイズを入れてもいいですね。
ステップダウン(遠心性収縮:エキセントリックトレーニング)
段差を用いて、ゆっくり階段を下りるように下げてから元の位置に戻ります。
ゆっくり下ろすことで、ヒラメ筋が伸びながら力を発揮する遠心性収縮(エキセントリック)でトレーニングします。
応用編(負荷増)
腓腹筋、ヒラメ筋ともに片脚でカーフレイズができるようになったら、ちょっと負荷を上げて応用編として、歩きながらやちょっとしたジャンプ(ホッピング)に段階を進めていきましょう。
カーフレイズウォーク
歩くときに毎回、カーフレイズを入れながら歩きます。
トゥウォーク
つま先立ちのまま歩きます。
踵が下がらないように踵が外に逃げないように気を付けて行いましょう。
まっすぐあるく、ストレートトゥウォーク、横に歩くサイドトゥウォーク、足をクロスさせながら歩くクロストゥウォークがあります。
前、横、クロスというふうに、縦だけではなく、横の動きやクロスの動きが出ることで、下腿三頭筋まんべんなく刺激を入れることができます。
ホッピング
片脚でカーフレイズが十分できるようなれば、ホッピング(足首を主に使ったその場ジャンプ)に移行しましょう。
両脚ホッピング 片脚ホッピング
まとめ
いかがでしたか。
下腿三頭筋は主につま先を下に動かす底屈運動を行う筋肉です。
一番オーソドックスなのは、立って踵を上げるカーフレイズ(ヒールレイズとも言います)です。
基本は同じですが、いくつかバリエーションも合わせてご紹介しました。
スポーツは競技によっては動きが決まっているものもありますが、私が関わっていたサッカーなんかは特にいろいろな方向の動きをアクションだけでなく、リアクションの動きもとても多いです。
そのため、なるべく様々な刺激をバリエーションを増やして入れておくことで、様々なシチュエーションにも対応できるようにトレーニングすることを念頭に置いています。
やったことがあるメニューもやったことがなかったメニューも一度試して、バリエーション多く下腿三頭筋に刺激を入れるようにしましょう。
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